マーケティングとは、一般的な定義によると「顧客ニーズを的確につかんで製品計画を立て、最も有利な販売経路を選ぶとともに、販売促進努力により、需要の増加と新たな市場開発を図る企業の諸活動」と言われています。人によっては、広告や販売促進だと理解されたり、商品の企画や調査だと言う人もいます。
一言で説明しづらいマーケティングではありますが、個人的な理解としましては「企業の事業戦略に基づいて、何を作って、いくらで、どこで、誰にどのように提供するか」ということに尽きると考えています。それを簡単に可視化したものが一度は耳にしたことがある4Pと言われるモノとなります。
Product (プロダクト) | 製品・サービス |
Price(プライス) | 価格や価格体系 |
Promotion(プロモーション) | 広告などを含めた販売方法 |
Placement (プレイスメント) | 販路 |
我々、広告代理店が担うことが多いのが「Promotion(プロモーション)」と言われる分野ですが、最近は「Product(プロダクト)」開発から依頼を受けるコトも増えてきています。「自信をもって送り出した新商品が思った以上に売れない」「調査の数字は良かったけど、値引きしないと買ってもらえない」といった声が以前より多く聞かれるようになりました。そこには「良いものを作って安く売れば、成功する」という従来の考え方ではモノが売れなくなってきた事情があります。
日本の商品の品質は高いので、今使っている商品を不満に思う人はあまりいません。そのため、従来の延長線上にある技術革新(カメラの画素数が上がった/4Kが8Kになったなど)だけではなかなか生活者は買ってくれません。需要のタイミングが「古くなった」とか「壊れた」という「受け身な需要」に限られてきているのが実情ではないでしょうか。
当たり前ですが「欲しい」と思わないと生活者は購入してくれません。その際、「欲しい」というキモチを起こしやすくするためのアプローチとし以下の2つがあります。
- 良かれと思ってやっている事に対して、こっちの方がもっと効果あるよと提示
- なんとなくやっている事に対して、こっちの方が良くない?と提示ができれば「欲しい」というキモチが作りやすくなります。
例えばダイエットをしている人がいるとします。その人は良かれと思って「朝ご飯を抜いていた」とします。でも実は抜くことはむしろダメで、「ヨーグルトを朝食べた方がむしろよい」というコトを提示したとするとヨーグルトが俄然「欲しく」なります。
例えばラー油。ラー油は「なんとなく」餃子につけるための商品だと思って使っていました。そこに理由はありません。そこに桃屋の食べるラー油が「ご飯とか豆腐にかけて食べたら美味しいよ」と提案しました。結果は爆発的な大ヒット。
良かれと思ってやっていたり、特に明確な理由があるわけではなくなんとなくやっている事を「コンベンション」と呼びます。それをこんな風にしてはどうですか?と今までの価値観を打ち破る新しい手段が提示できる(ディスラプション)と生活者は高い確率で「欲しい」と思うようになります。
このように自社の商品の改良だけに留まらず、生活者のキモチも併せて分析することで「欲しい」と思われる商品が生まれる確率は高まります。その際に役立つ分析フレームが3C分析と呼ばれるモノです。基礎知識②では3C分析について説明したいと思います。
*コンベンションとディスラプションは大事な概念ですので別の機会で詳しく触れます。
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