マーケティング初心者向けにお届けしている「基礎知識」の4回目。
今回は戦略決定に影響を与えるクープマンの目標値について解説します。
マーケティング戦略やコミュニケーション戦略を立案する際、気にしている数字があります。それは当該マーケットのブランドのシェアです。そのシェアの数字を見て、どういう戦略にするかを決めるようにしています。その際、活用する数字はクープマンの目標値というものです。
クープマンの目標値には7つの指標があります。以下のその7つの指標について見ていきたいと思います。
独占的市場シェア:73.9%
「独占的寡占型」と呼ばれ、トップが絶対安全かつ優位独占の状態。トップがひっくり返る可能性はほとんどあり得ないという市場シェアです。例えばハンバーガー業界におけるマクドナルドがあてはまります。このような市場で戦う/新規参入するには相当な差別化が必要になります。
相対的安定シェア:41.7%
トップの地位は安定しており、不測の事態に見舞われない限り、逆転されることはない安定している状態を指します。クルマ業界におけるトヨタがあてはまります。真っ向勝負するのは難しく、マツダのように走りやデザインに特化するような差別化戦略が必要になります。このような市場ではニッチなブランドになります。
市場的影響シェア:26.1%
1位ではあるが、いつ下位に逆転されるか分からない不安定な状態にある市場。2位であったとしても市場に影響力を持っている事が多く、トップブランドとの役割価値に差別化がマストとなる先述の2つの市場とは異なり、トップブランドの不満点を改良するといったガチンコ勝負ができる市場と言えます。
並列的上位シェア:19.3%
複数企業で拮抗している状態。どの企業も安定的な地位を得られていない状態です。こちらはよりトップブランドとのガチンコ勝負ができる市場と言えます。
市場認知シェア:10.9%
市場自体がニッチであるため、トップブランドと言えども「こういうブランド(企業)もあったな」と自発的に思い出してもらえるギリギリのレベル。後発であっても価値あるユニークさがあればトップになれる市場といえる。
その他に「市場存在シェア:6.8%」や「市場橋頭堡シェア:2.8%」がありますが、市場自体が小さいため、もし市場に参入するならば市場を大きくする取り組みを併せて行うコトも想定しておく必要があります。後発で参入する市場としてはリスクがありそうです。
このように該当カテゴリーのトップブランドがどの程度シェアを持っているかにより、戦い方が大きく変わります。あなたが担当している商品カテゴリーのトップブランドのシェアはどれくらいありますか?
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