マーケティング初心者向けにお届けしている「基礎知識」の3回目。
今回はMisson(ミッション)、Vision(ビジョン)、Value(バリュー)について解説します。
最近よく耳にするようになったミッション(Mission)、ビジョン(Vision)、バリュー(Value)という言葉。企業の共通の価値観を表す手法の一つであり、その頭文字を取って通称MVVモデルと言われたりもします。
- ミッション(Mission):恒久的に変わらない企業の存在意義
- ビジョン(Vision):中長期的に達成したい目標
- バリュー(Value):約束する価値や強み
なぜ最近耳にするようになったのか。VUCAと言われる不確実性の時代において社会やビジネスは将来の予測が困難な状況になっています。先が見えないために自分たちの会社が向かうべき場所を再認識したい欲求が高まり、「自分たちは何のために存在するのか」「我々の社会的役割は何なのか」という本質的な問いに向き合い、会社が向かうべき「地図」を作ろうとする企業が増えたからです。
その「地図」があると安心するのは社員です。向かうべき場所に向けた「地図」がない旅は不安になります。それと同じで会社が向かうべき目的地が記された「地図」がないと社員は不安になる。地図がないと、右往左往したり、歩いても歩いてもどこにもつかないから社員は疲弊してしまいます。だから「地図」が必要になります。「地図」に書かれた明確な目的地とその目的地に対する期待。そこに向かって進んでいるという実感とみんなとの一体感。そんなコトが求められている時代です。
そんな時代を捉えた個人的な好きな地図にスシローの「うまいすしを腹一杯」というのがあります。だからスシローの寿司は「100円」なんですね。だから店員さんは元気なんですね。雰囲気が暗いと美味しくないですから食事は。
ネタを仕入れる人。配送する人。寿司を握る人。店頭での接客する人。それぞれ役割は違えどひとりひとりが「うまいすしを腹一杯」という目的地に到達するために自分は何をしなければいけないかを理解できているから業界NO1。
「俺たち/私たちがしなくてはいけない事はなんだっけ?これがそれに繋がるんだっけ?」と置き換えながら働く人全員が仕事をすることができるのがスシローの一番の強みだと思います。そしてそれは、社員誰もが分かる言葉で「地図」を描いたからこその結果でもあります。業界裏話的にはスシローのネタのクオリティを100円で提供するのは困難を極めるそうです。
また、世代的にはZ世代と言われる層がこれらの事を気にします。右肩下がりの時代しかしらない彼らは経済が成長することなどあまり信じていません。24時間戦えますかのような「がむしゃらで働く」という意識はあまりありません。むしろ地球環境への配慮であったり、働くコトの目的であったり、社会貢献であったりを気にする世代です。だからこそMVVで書かれる「地図」の事を気にします。なので人材が取り合いになる時代、優秀な人材を確保するにはMVVをしっかり構築する必要があるのです。
VUCAの時代、必要なのは「地図」作りです。その地図に向かって社員が一丸となるのか否かで雲泥の差がでます。企業は自分たちの社員に対してMISSION・VISION・VALUEを示しましょう。それが言葉にできる企業は強くなると言えます。
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