マーケティングの王道分析フレームとして「3C分析」以外にも「STP分析」や「SWOT分析」などのメジャーフレームがあります。それぞれ説明してくれているモノがたくさんありますので詳細はそちらに譲りますが、STP分析とは、S(セグメンテーション)、T(ターゲティング)、P(ポジショニング)という英語の頭文字を取ったもので、「ST→あなたが担当する商品やサービスが、どんな生活者と向き合うか」と「P→あなたが担当する商品やサービスがどんな価値を提供するか」を決めます。
一方、SWOT分析は「自社の強み(Strengths)」「弱み(Weaknesses)」、そして外部環境である「機会(Opportunities)」「脅威(Threats)」の4つを分析するものです。考える順序は、まず外部環境を広く見た上で、次に自社の良い点・悪い点を考えます。自社の強みや弱みが外部環境に大きく影響を受けるからです。SWOT分析あるあるは、4つのマスを埋めて整理して満足して終わってしまうという点です。このままでは現状しかわからず、「で、どうするの?」が見えてきません。そのため、この4つの視点が「3年後」どのように変わっているかを想像することが大切です。そうすると自社の強みも弱みになっているかもしれないと言った視点での分析ができるため、戦略構築の助けになります。そのような視点で運用するのがよいと思います。
前置きが長くなりましたが本題の「3C分析」のお話です。「Customer(顧客)」「Company(自社)」「Competitor(競合)」の3つの頭文字のCを取ったものです。具体的には「顧客」はお客様が望んでいる価値を、「自社」は自社が提供できる価値を、「競合」は競合他社が提供できる価値を指し、3つの視点から分析することで自社の勝ち筋を探索するフレームワークになります。3C分析をよく使う理由は、「顧客のニーズってなんだっけ」?と立ち戻ることができるからです。
自社の価値を策定する際によく陥りがちなのは、自社の価値と競合の価値は分析して、「競合とはここが違うから差別化できる価値だよね」と顧客の意識を置き去りにして価値を決めてしまうことです。本当によく起きます。その点、3C分析を使うと、確かに競合とは差別化できている価値だけど、顧客は望んでいる価値なのだろうかという視点で自社の価値を設定できるところが3C分析の利点だと言えます。
すなわち、3C分析とはライバル企業にはなく、かつ顧客が望んでいる自社の価値とは何かを設定できる分析手法と言えます。そしてその3C分析により導き出された価値が「自社の強み」となり、ブランドVISION・MISSON・VALUEの設定に繋がっていき、その3つの規定を軸にしてブラディングが行われていきます。
商品の一番の根っこの定義になるので(ここを間違えるとうまくいかない)3C分析の精度が商品が売れるか否かの大きな分かれ道となってきます。
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